日本で医療を受けるためには、医療保険に入っていなければなりません。しかし、経済的に困窮している方々の中には、保険料を支払えない人もいますし、保険料を払っていても自己負担の料金を支払えない人もいます。その方々はお金がないので治療を受けられないという事態に陥ってしまいます。不況が長引き高齢化社会も進んでいる中で経済的困窮者が増えていると言われています。

そのような金銭に関する問題を部分的にでも救済する国の施策がいくつかあります。地域の方々を受け入れている病院としては当然そのような施策を詳しく知り、病院活動の一環として取り組むことが期待されます。経済的な問題で医療を受けられないというのは、大変悲しい事態です。そのような事をなるべく減らすように病院として何をどの程度行っているのかを見るのがここに挙げた指標です。

当該地域が相対的に豊かであれば、この値は高くはないかもしれません。しかし、過疎や不況で悩む地域の病院では相対的にこの値は高くなるでしょう。行政の公表する地域情勢の推移と病院のこの値の推移を比べながら、行うべきことをしっかり行っているかを判断する資料となります。

無料低額診療事業とは、低所得者などに医療機関が無料または低額な料金によって診療を行う事業です。国の定めた条件に基づき県の認可を得て各病院で取り組む事業になります。当院の場合、この対象になっているのが、この2年間は2%台で推移していましたが、2013年は3%を超えています。全日本民医連のデータ中央値の0.57%と比べると毎年高い割合になっています。当地においては、とりわけ震災による経済的困窮の影響が否めません。その病院をめぐる地域の状況が強く反映していることがうかがわれます。資格証明書相談、無保険相談が全日本データでも当院データでも低い理由は、救急又は重篤な状態ではじめて受診になるからです。受診前の相談につながる工夫が必要と考えています。社会福祉士による相談体制を強め、今後もこれらの活動がしっかりと継続できているのかどうかを確認し続けることが求められます。

指標の計算式、分母・分子の解釈
  各指標の計算式と
分母・分子の項目名
解釈
備考 近接診の患者含む 外来分離した門前診療所
分子 A)無低診対応件数
B)短期保険証相談件数
C)資格証明書相談件数
D)無保険相談件数
E)短期保険証受付け件数
F)資格証明書受付け件数
G)無保険受付け件数
相談件数は、MSW(医療ソーシャルワーカー)が対応した件数
受付け数は、受診した患者数
分母 患者規模(1日平均入院患者数 + 1日平均外来患者数 / 3) 1日平均入院患者数 = (24時在院患者数 + 退院患者数の合計) / 診療実日数
医療の質向上・公開推進事業」データより
(全日本民医連 2011年60施設、 2012年70施設、 2013年83施設参加)
2013年
区分 最大値 中央値 最小値
無低診対応 28.03% 0.57% 0.00%
短期保険証相談 3.33% 0.08% 0.00%
資格証明書相談 1.12% 0.00% 0.0%
無保険相談 3.06% 0.18% 0.00%
詳細件数
区分 2013年 2012年 2011年
A) 無低診対応件数 249 156 192
B) 短期保険証相談件数 3 10 12
C) 資格証明書相談件数 3 1 4
D) 無保険相談件数 13 18 15
E) 短期保険証受付件数 - 204 100
F) 資格証明書受付件数 - 0 2
G) 無保険受付件数 - 27 16
1日平均入院患者数 330.83 329.58 333.83
1日平均外来患者数/3 274.30 272.45 273.56
分母 605.13 602.03 607.39