2013年度は委員会メンバーがいくつかの交流集会や学術大会で発表しました。概要を下記に略記します。

宮城民医連学術運動交流集会(5月)
  • 「患者満足度調査を医療の質改善に活かす取り組みについて」
  • 「臨床指標を用いた改善の取り組みと可視化について~QI委員会の改善への取り組み~」
診療情報管理学術大会(9月)
  • 「臨床指標を用いた改善の取り組みと可視化~QI委員会の改善への取り組み~」
全日本民医連QI交流集会(10月)
  • 「坂総合病院のQI活動―その到達点と今後の課題―」
  • 「患者満足度調査の取り組み」
  • 「紹介率・逆紹介率」

また、全日本民医連の変更に合わせて指標の算出方法など一部変更しました。さらに2014年度から算出すべく新規に当院独自の指標を設定しました。概要は下記の通りです。

指標の変更
指標5
退院後42日以内の緊急再入院率:退院後30日以内から42日以内に変更
指標18
糖尿病患者の血糖コントロール:2012年まではJDS値で集計していたがNGSP値で集計
指標21
社会資源活用により療養支援できた相談者の割合:抽出項目が7項目から4項目に変更
新規指標
指標9
65歳以上の全入院患者におけるリハ実施率をあらたに追加
指標24
平均在院日数
指標25
病床利用率
指標26
1か月の出産における(A)低出生体重児率、(B)帝王切開率
指標29
医療事故発生率
指標30
手術部位感染症(SSI)発生率

院内業務に関わる取り組みは下記に示します。

  • カンファレンスについてカルテ記載を統一し、その実施を電子カルテから抽出できるようにした
  • 電子カルテに職業歴のテンプレートを作製し、入院患者についてもれなく記載できる基盤作りをした
  • 転倒転落対策プロジェクトに参加しアセスメントや予防策策定に加わった
  • 身体抑制の医師の指示や実施入力などを電子カルテ上でより正確に入力できるようにした
  • QIニュースの発行(毎月)

2014年度から日本病院会のQIプロジェクトにも参加することとしました。新たに別な集団に加わることで、当院のQI活動が進展し、当院のデータの持つ意味への理解が深まることを期待しています。

QIデータを収集し検討する病院の集団によって採用する指標も違いますし、同じ名目の指標でも計算方法が異なることもあります。データを他の病院と比較するのは興味深いことですが、表面的に数字の大小のみで優劣を競う姿勢は正しくありません。個々の数字の裏側には具体的な一つ一つの医療活動があります。私たちは数字という窓を通して医療活動に光を当て、病院をよくしていく一助にしたいと考えています。その一環として他の病院の数字を参照しより深い解釈に至りたいと思っています。

医療の現場では、毎年自分たちの業績を数字にまとめるものです。そういう意味では、病院の職員はQIについては理解しやすい立場にあります。データを見せると多くの医師が共通してリスク調整の問題を指摘します。データの持つ限界も共有しやすいといえます。

医療に関係しない方々に当院のデータがどのようにとらえられるのかも興味深いものです。QIが病院と地域の方々との意見交換や交流につながればそれも一つの成果と思われます。

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