精死亡率とは、入院してから48時間以降に死亡した患者さんを計算します。48時間までは入院治療の影響というよりそもそもの病気の影響が大きいと考えて除外されています。すなわち、この精死亡率にすることで入院治療の影響がより強く反映すると考えられます。

精死亡率がゼロになることはありえません。どの程度の値が望ましいかも簡単に言うことはできません。病院の大きさや地域における役割などによって病院ごとに異なる数値となることでしょう。

しかし、一般的にはなるべく少ない方がよい値と考えられます。おおまかに同じような性格の病院全体としてどの程度の値をとるのか、それに対して当院がどのような位置になるのかを把握してそれを経年的に追うことは意味があると思われます。当院の医療活動の変遷がこの数値の変化に反映するものと考えます。

全日本民医連の中央値は5.8ですので、当院は昨年同様全日本民医連の中央値に近い値となっています。300床以上の基幹型臨床研修病院かつDPC病院の15病院で調べると中央値は5.0です。病床数とはそれほど関係していない数値ですが、診療科の構成やそれぞれの医療活動の内容を反映しているものと考えられます。特に緩和病棟からの退院も含めて計算されていますので、緩和の有無でも病院ごとに大きく異なってくることが予想されます。

当院はこの3年間を振り返ると、死亡退院患者数の変動は20人程度の幅と比較的安定しています。率は総退院患者数によって変動することになりますが、いずれにせよ当院はおおむね5~6%前後の値をとってきたとまとめることができます。

当院は今後ますます急性期医療に力をいれることになります。また、新たに脳外科診療が開始されました。これらの医療活動がこの死亡退院患者割合にどのように影響するかを見ていく必要があります。

指標の計算式、分母・分子の解釈
  各指標の計算式と
分母・分子の項目名
解釈
分子 死亡退院患者数-入院後48時間以内死亡(人) 精死亡率(死亡退院患者数-入院後48時間以内死亡)、緩和ケア病棟含む
分母 退院患者数(人) -
医療の質向上・公開推進事業」データより
(全日本民医連 2011年60施設、 2012年70施設、 2013年83施設参加)
年度 最大値 中央値 最小値
2011年 16.7% 5.5% 0.0%
2012年 18.4% 5.8% 0.0%
2013年 17.5% 5.8% 0.0%