転倒・転落発生率は転倒・転落を予防し、外傷を軽減するための指標です。特に、治療が必要な患者を把握していく指標です。

当院では、医療安全対策室で管理している医療事故・事故接近報告の集計データからの報告件数から指標を作成しています。

2015年度の結果の解釈

当院の転倒・転落の発生率は前年度と比べ0.8‰ 増加しました。また治療を要する転倒・転落の発生率も前年度に比べ0.03‰ 増加ました。坂総合病院では入院中の医療事故・全報告数の約3割が転倒・転落事故が占めています。転倒・転落事故の対策として入院時「転倒転落アセスメント」を行い、入院患者さまはもちろん、ご家族の方にも転倒しにくい履物への配慮などして頂けるよう説明用紙を配布しています。さらに入院後1週間おきに再評価を行っています。転倒・転落の対策用としてスイングアーム柵・離床センサーマットなどの購入も行っています。転倒・転落の予防には患者様の特徴をきちんと把握した上で行わなければなりません。さらに転倒・転落した要因分析をする事で今後の対策に効果があると捉えています。

安全対策委員会を中心にあらためて全病棟に周知をはかり、各病棟に毎月転倒件数をフィードバックします。

指標の計算式、分母・分子の解釈
  各指標の計算式と
分母・分子の項目名
解釈
備考 ‰ (パーミル、千分率)表示
分子 A)入院患者の転倒・転落件数
B)治療を必要とする転倒・転落件数
A
当院集計データの【レベル0・1・2・3a・3b・4a・4b・5】
B
当院集計データの【レベル3a・3b・4a・4b・5】
分母 入院患者延数(24時在院患者+退院患者数の合計) -
医療の質向上・公開推進事業」データより
(全日本民医連 2011年60施設、 2012年70施設、 2013年83施設参加、2014年74施設、2015年82施設参加)
A.入院患者の転倒・転落発生率
年度 最大値 中央値 最小値
2011年 9.7‰ 4.3‰ 0.5‰
2012年 21.4‰ 4.5‰ 0.8‰
2013年 9.2‰ 4.3‰ 1.2‰
2014年 9.7‰ 4.3‰ 1.4‰
2015年 9.9‰ 4.3‰ 1.5‰
B.治療を必要とする転倒・転落発生率
年度 最大値 中央値 最小値
2011年 0.8‰ 0.2‰ 0.0‰
2012年 1.3‰ 0.3‰ 0.0‰
2013年 1.2‰ 0.2‰ 0.0‰
2014年 0.2‰ 0.03‰ 0.0‰
2015年 1.7‰ 0.03‰ 0.0‰