回復期リハビリテーション病棟とは、国の定めた基準を満たすリハビリテーション専門病棟のことです。この基準に在宅復帰率が含まれています。

脳卒中などで手足に麻痺が残ってしまった人や股関節の骨折の方々が再度自宅で過ごせるように、いわゆる「生活機能」をあらためて身につけてもらうことがリハビリテーションの理念です。したがって自宅に帰るということはリハビリテーションにとっては非常に大きな意味を持っています。

ご家族が介護の不安を持って自宅退院をためらっている時でも多くの場合、患者さん自身は自宅への退院を強く望んでいるものです。ご家族への情報提供や介護指導、制度の案内など多くの取組みを行う中で自宅への退院が達成されます。そういう意味で、リハビリテーションのチーム力の一面を反映する指標といえます。

全日本民医連の2012年のデータでは、在宅復帰率は約79%です。当院は約72%とそれより低い値となっています。

回復期リハビリテーション病棟は2000年に国が定めましたが、当院はその宮城県第一号の病棟として開設して今にいたっています。介護保険も2000年から施行されています。当初は当院の在宅復帰率は80%を超えていましたが、最近は70%台で推移しています。介護保険施設がある程度充足してきたことを反映しているものと思われます。さらに重要なのは一人暮らしや高齢二人暮らしの方々が増えていることです。介護力がないために自宅という選択肢が閉ざされている人が近年目立っています。

今後ますます、困難を抱えた方々にさらに自宅への道を切り開く当院リハビリテーションチームの努力と総合力の向上が期待されます。

指標の計算式、分母・分子の解釈
  各指標の計算式と分母・分子の項目名 分母・分子の解釈
備考 回復期リハビリ病棟を持たない病院は対象外
分子 退院先が在宅の患者数 診療報酬上の在宅復帰率に準ずる
分母 回復期リハビリ病棟の退院患者数
全日本民医連 2012年70施設参加「医療の質向上・公開推進事業」データより
年度 最大値 中央値 最小値
2012年 92.7% 79.3% 67.0%