毎年、年に2回産婦人科病棟では、超緊急帝王切開シュミレーションが行われます。医療用語では通称グレードAカイザー。これは手術決定後、他の要件を一切考慮することなく直ちに手術を開始し一刻も早い児の娩出をはかる帝王切開術をいいます。
これには、産婦人科医師、産科病棟助産師、小児科医師、麻酔科医師、手術室看護師、当直師長たちが立ち合い正確で迅速な対応を出来ることを目標にそれぞれの役割、動きを確認しながら訓練を行います。
日本の周産期死亡率は3.2人(2020年)と諸外国に比べて低く日本の医療水準が高い位置にあります。しかし、お産はいつの時代も命がけであり、分娩時の死亡がなくなった訳ではありません。昨年当院でのグレードAカイザーは3回ありました。分娩時の陣痛や分娩に伴う合併症、出産による大出血、胎盤や胎児の異常など、急変時にグレードAカイザーになることが多くあります。
最後に全員が集まり振り返りや感想を出し合います。マニュアルやアクションカードにはない細かい疑問点や抜けがないか、また手順にはあるが不要な動きがないかを出し合います。これにより速やかにスムーズな動きが出来ていきます。私たちがどんな時でもお母さんと赤ちゃんを守る!そんな気持ちでこれからもトレーニングを積んでいきます。
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