要約

在宅医療室は在宅療養の相談窓口、訪問診療の拠点である。専任医師1名訪問診療同行看護師5名事務2名で運営している。
2015年度は3,060件の訪問診療と206件の臨時往診の実績がある。

在宅患者の平均年齢は80.8歳と高齢で80%は寝たきりであり、脳血管疾患後遺症、廃用症候群、認知症、がん等のハイリスクな患者がその多くを占める。

2015年4月には当院初の在宅専任医師が着任し、がん終末期患者の24時間対応が開始になった。8月には在宅療養支援診療所機能を取得し、非がん患者も24時間対応可能になり、9月から専任医師に加え、複数の医師と訪問診療同行看護師の拘束体制を開始した。

在宅患者の救急受診が減少している。という仮説のもと調査をした所在支診開始時期を境に比較してみると、管理数は23%増、臨時往診は30%増加、救急受診は32%減少していた。

救急受診患者の入院率は2年前の調査結果と比較したところ、2013年度の56%に対し2015年度は81%と大幅に高くなっていた。特に2015年は救急搬送での入院率が91.2%と高率だったことは特筆すべき点である。

昼夜問わず医師との電話相談、予測指示による薬剤投与、24時間対応の臨時往診は受診せず、在宅のままでの治療を可能にした。

それには、予測指示の実施要件を訪問看護師と訪問診療同行看護師の間で確認するなど在宅患者に係るスタッフ間の綿密な連携、慎重な対応が欠かせなかった。また、予測指示以外で急遽必要になった薬剤やPCA付輸液ポンプ、HOTなど医療機器の調達は院内薬局、MEや業者との連携で可能になった。

医師との相談、臨時往診可能な環境は『念のため受診』を減少させた。 結果、一定期間自宅で治療を試みたが、改善が見込めず自宅での治療が限界と判断された場合、当初の症状から自宅での治療が困難と予測されるケースに絞って救急受診するため、入院率が高くなったものである。 在宅医師、看護師の拘束体制、24時間対応は在宅患者の救急受診を減少させた。