令和元年度 坂総合病院 病院指標

令和元年度 坂総合病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

年齢階級別退院患者数

年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 738 97 194 282 356 527 1159 1827 1840 577
当院は仙台医療圏に属し、塩竃市・多賀城市・松島町・七ヶ浜町・利府町の二市三町を主な診療圏とした地域医療支援病院です。それぞれの市や町で傾向に差はありますが、二市三町全体の65歳以上の高齢化率は28.6%で、仙台医療圏平均の24.9%より高く、宮城県全体の平均27.9%も上回っています(令和2年度宮城県高齢者人口調査より)。これは当院の入院患者の年齢層にも反映し、65歳以上の患者様の比率は約65%となっています。また、産科・小児科の病床を持つことから16歳未満の若年層も約10%となっています。今後も地域の開業医の方々と連携し。救急車も積極的に受け入れ、地域の急性期の中核病院として役割を果たしていきます。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 15 1.67 5.01 0.00 75.33  
170020xxxxxx0x 精神作用物質使用による精神および行動の障害 副傷病なし 10 1.20 2.84 0.00 50.10  
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし - 1.83 12.58 0.00 76.33  
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当院の内科は、夜間や休日の緊急入院の患者さまが主になります。
当院は専門診療科でそれぞれの疾患を担当しますが、めまいや症候性てんかんの発作など神経系の疾患や在宅医療を受けている方などは内科を担当診療科としています。比較的軽症の方の比率が高いため、在院日数は短い傾向です。
呼吸器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 169 18.59 20.84 19.53 83.47  
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 103 2.72 3.34 0.97 72.88  
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2なし 57 22.21 18.84 1.75 74.39  
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当科の入院症例としては肺癌など悪性腫瘍の患者さまが上位を占めており、誤嚥性肺炎などの患者さまがそれに続いています。また肺癌の患者さまに関しては入院でなく外来での治療を受けられているかたも少なくありません。
消化器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 副傷病なし 86 11.74 9.79 2.33 78.84  
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし 80 5.08 5.39 1.25 51.98  
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 70 24.23 20.84 18.57 81.21  
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消化器科では、腹部の急病・救急疾患と、消化器癌の診断治療、慢性の肝臓疾患等を中心に担当しています。病名別では例年どおり、緊急入院を要する急性胃腸炎、救急疾患である総胆管結石・胆管炎が上位を占めております。また、早期胃癌に対する内視鏡的切除には、継続的に力をいれております。なお、地域病院としての特性上、一般内科疾患として高齢者の誤嚥性肺炎や尿路感染症も件数が多く、内科系診療科としての役割を果たしています。
循環器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99200x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等12あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 169 3.14 3.15 0.00 70.64  
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 165 3.88 3.01 0.00 67.29  
050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 151 4.68 4.40 0.66 70.38  
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循環器科では、心臓や下肢などの動脈硬化性疾患の診断のためにカテーテル検査を多く行なっています。外来診療から引き続き、速やかに診断・治療が行なえるように努力しています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 手術・処置等2なし 186 4.73 5.73 0.00 1.74  
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 136 6.57 6.17 2.21 0.01  
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 副傷病なし 82 4.68 6.19 0.00 1.54  
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小児科は、神経、アレルギー、循環器、内分泌を専門とする医師が在籍しており、一般、慢性疾患、発達障害に対する外来診療を行っています。
二市三町(塩釜・多賀城・七ヶ浜・利府・松島)における二次救急の対応を引き受けています。
また、新生児の入院に関して,産科と連携して行っており、出生直後から小児科医が携わり診療にあたっています。その取り組みが患者数に反映しています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 74 4.12 4.85 1.35 65.65  
060335xx02000x 胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 40 7.23 7.13 0.00 57.60  
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 32 5.25 5.45 0.00 38.22  
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外科は、急性虫垂炎や急性胆嚢炎などの救急疾患に24時間体制で迅速に対応しております。2019年度、当科で手術した急性虫垂炎の患者さまは61名、急性胆嚢炎の患者さまは67名でした(DPCの診断群分類が細分化されているため、上記区分の患者数と相違があります)。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 47 68.72 25.94 10.64 84.45  
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 副傷病なし 11 34.91 19.40 18.18 76.09  
160800xx99xx0x 股関節・大腿近位の骨折 手術なし 副傷病なし - 49.50 14.43 16.67 84.67  
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整形外科の入院症例のうち、高齢者の転倒による骨折の患者さまが多くを占めています。早期にリハビリテーションを介入することで在院日数短縮に努めています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070160xx01xxxx 上肢末梢神経麻痺 手根管開放手術等 12 2.08 4.70 0.00 68.58  
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) その他の手術あり 手術・処置等1なし - 3.00 4.67 0.00 53.00  
070071xx97xx0x 骨髄炎(上肢以外) 手術あり 副傷病なし - 5.5 31.4 0.00 82.00  
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形成外科では外来診療を中心に行っており、とくに必要なものについてのみ入院での手術を行っています。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050161xx99000x 解離性大動脈瘤 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 11 18.36 17.34 0.00 81.27  
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし - 15.67 17.71 0.00 71.00  
040190xx99xxxx 胸水、胸膜の疾患(その他) 手術なし - 17.00 16.38 0.00 72.00  
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心臓血管外科では、急性発症の大動脈解離(解離性大動脈瘤)のうち、緊急手術の対象とならずに保存的治療で経過観察できる病状の患者さまが、当院に入院した後にできるだけ早期に退院可能となるように、必要な検査、血圧管理、リハビリなどを行っています。
また、心臓手術後の外来通院中の経過の中で心不全を来たしてしまった患者さまに対する心不全治療も行なって、早期退院が可能となるように努めています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 59 8.56 9.66 0.00 31.51  
120170xx99x0xx 早産、切迫早産 手術なし 手術・処置等2なし 30 16.47 19.06 13.33 29.17  
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 29 5.79 6.21 0 51.31  
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当院産科では、帝王切開を目的とした入院や、合併症妊娠(糖尿病や高血圧など)、切迫早産の管理入院を行っています。
「120180xx01xxxx:胎児及び胎児付属物の異常」は、既往帝王切開、骨盤位、児頭骨盤不適合(骨盤と児頭の大きさがあわない)のために帝王切開分娩になった場合を指します。
婦人科では、良性腫瘍の手術を目的とした入院が上位に挙がっています。
「120070xx02xxxx:卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。)腹腔鏡によるもの等」は、卵巣腫瘍と診断され、腹腔鏡下で卵巣を摘出した場合を指します。
当院の入院対象は一般的に知られている疾患が中心です。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり片眼 224 2.00 2.78 0.00 76.68  
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当院の眼科は、白内障に対する水晶体再建術を主におこなっております。片眼の患者では1泊2日または、日帰りの手術で退院されています。
リハビリテーション科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010040x097x0xx 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) その他の手術あり 手術・処置等2なし - 97.00 28.87 33.33 79.00  
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 副傷病なし - 44.50 19.40 0.00 90.00  
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし - 120.00 18.81 0.00 59.00  
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リハビリテーション科は回復期リハビリテーション病棟で入院診療を行っています。
院内の整形外科や脳神経外科に入院してきた患者さまになるべく早くリハビリテーション病棟に移動して頂くことに努めています。
回復期リハビリテーション病棟はDPCによる請求方法ではないため、上記の集計結果には反映されません。そのため、集計された当科のデータはDPC病棟でリハビリテーション科の医師が担当した患者さまのみが対象となります。
なお、整形外科や脳神経外科などからリハビリテーション科へ転科して回復期リハビリテーション病棟へ移った場合には、転科前の診療科で集計されています。
DPC病棟でリハビリテーション科が担当するケースとしては、リハビリテーション目的で入院された患者さまが、リハビリテーション科医師を担当医として一旦DPC病棟に入り、その後転科せず回復期リハビリテーション病棟に転棟されるケースなどがあります。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991x0x 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 副傷病なし 17 2.00 2.49 0.00 69.82  
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 16 7.19 7.07 0.00 74.44  
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし - 9.17 12.58 0.00 73.50  
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「110080xx991x0x:前立腺の悪性腫瘍」は、前立腺癌疑いの生検を指します。
「110070xx0200xx:膀胱腫瘍」は、膀胱癌の内視鏡手術を指します。両者とも予定入院でパス通りに退院ができるため平均在院日数も短期間になっています。
代謝内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100070xx99x000 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし85歳未満 47 9.94 10.84 0.00 63.30  
100071xx99x110 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全あり。) 手術なし 手術・処置等21あり 副傷病あり85歳未満 31 15.23 14.74 6.45 71.74  
100070xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術・処置等21あり 副傷病なし85歳未満 30 13.77 13.72 0.00 57.77  
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糖尿病代謝科では糖尿病に対する教育入院を中心に診療を行っています。2016年4月の診療報酬改定で糖尿病のDPC分類が細分化されたため、DPCごとの件数は少なく見えますが、糖尿病の2019年度年間の退院患者数は140名にのぼります。
救急医学科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 41 15.85 20.84 41.46 82.20  
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 副傷病なし 33 31.09 19.4 48.48 81.88  
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし 27 10 12.55 14.81 69.78  
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救急科は他の診療科では対応しえない重症例(心肺停止、ショック状態、敗血症、多臓器不全など)や、総合診療科と協力して他の診療科では対応しえない症候や疾患、診断困難事例を集中治療室と一般病棟で入院診療を行っています。
総合診療科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 56 16.36 20.84 37.50 85.46  
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし 29 11.62 12.58 13.79 81.07  
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 副傷病なし 17 30.53 19.4 52.94 81.94  
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総合診療科では高齢者から若年まで特定の臓器・疾患に限定せず、多角的な介入が必要な事例や専門領域での特別な介入が不要な入院患者さまを担当しています(必要に応じ各科に相談)。高齢化に伴い、多疾患併存で虚弱な高齢者のマネジメントや感染症の事例が多くなっております。
緩和ケア科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 16 26.56 14.62 18.75 81.88  
130030xx99x00x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし - 28.86 9.76 0.00 76.14  
06007xxx99000x 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし - 26.00 11.51 33.33 84.50  
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緩和ケア科は進行癌の患者さまやご家族の抱える様々な苦痛を和らげる事を目指し、特にご本人の意思を尊重したチーム治療・ケアを提供しています。また、望む場所で療養できるよう、在宅医療や外来診療との連携体制を整えています。
なお、当病棟では臓器別主治医がそのまま継続するケースも多いため、表と実情は異なっています。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

  初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 54 - - 12 - 54 1 8
大腸癌 18 32 33 15 10 92 1 8
乳癌 15 33 - - - 29 1 8
肺癌 24 - 24 76 - 32 1 8
肝癌 - - - - - 26 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
当科では、がんの専門施設で研鑽を積んだ、消化器外科(食道、胃、大腸、肝胆膵)、呼吸器外科(肺)、乳腺外科(東北大学医師の応援)の専門医師が治療を担当しています。ガイドラインに基づく標準的治療をはじめ、高齢の患者さま・様々なご病気を持つ患者さまのからだの負担に十分配慮した個別の治療方法まで、安全性や患者様の有益性を第一に考えて治療を行います。治療が難しい患者さまについては、院内検討会(キャンサー・トリートメント・カンファレンス)で討議し、最善の治療方法を検討します。例えば、癌で大腸が閉塞して食事が摂れない、多発肝転移を伴うStageIVの大腸癌の患者さまでも、大腸の癌を取り除いて食事摂取を可能とした後に、多発肝転移に対して化学療法を行い、根治を目指した肝切除が行えるようになる患者さまもいらっしゃいます。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

  患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 38 8.37 54.03
中等症 98 13.84 74.01
重症 39 16.10 80.23
超重症 18 24.83 80.33
不明 - - -
重症度が高い肺炎の患者さまの群では平均在院日数が延長し、平均年齢が上昇する傾向が認められています。この重症度分類は本来は「市中肺炎」(=基礎疾患の乏しい比較的元気な患者さまにおこった肺炎)を対象として設定されたものですが、今回の対象患者さまの成績は市中肺炎のほかに「医療・介護関連肺炎」(=市中肺炎よりも基礎疾患が多く体力が低下した患者さまにおこった肺炎)の患者さまも多数含まれた分析結果となっています。

脳梗塞のICD10別患者数等

発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 47 29.34 83.55 11.83
その他 46 43.09 76.98 19.35
脳梗塞はほとんど発症当日に来院します。脳梗塞の治療は発症から数時間で方針が定まりますので、異常を感じた段階で急いで病院に救急車で来ることが大切です。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

呼吸器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K496-4 胸腔鏡下膿胸腔掻爬術 - 4.50 20.75 0.00 61.00  
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他のもの) - 6.00 14.75 0.00 67.50  
K0731 関節内骨折観血的手術(肩,股,膝,肘) - 9.00 77.67 0.00 84.00  
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入院管理は呼吸器科ですが、治療過程で併存疾患も治療しており、当該科とは関連のない手術を行うこともあります。
消化器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみのもの) 80 1.86 9.83 5 79.15  
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 47 2.45 4.7 0 72.53  
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) 44 1 8.34 0 74.32  
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救急病院である当院の診療内容を反映して、その代表的疾患である急性胆管炎と出血性胃潰瘍に対する内視鏡的治療が上位に挙がっています。また、早期胃癌、大腸ポリープの内視鏡治療も継続的にとりくんでいます。なお、大腸ポリープはできるだけ日帰りでの実施をめざしており、上記の入院数は当院での治療総数の1~2割を占める程度です。なお、消化器癌への対応は病院機能の柱の一つと位置づけており、外科・放射線診断科・病理部や、緩和医療科・在宅科と密接に連携し、総合的な癌診療体制の一翼を担っています。
循環器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 128 2.48 3.27 1.56 71.64  
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 124 5.24 22.02 6.45 74.93  
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 42 4.98 9.26 0.00 82.17  
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手術数では、心臓の血管内治療が多く、安全な治療を目指して努力しています。また、下肢などの末梢血管治療数が多いことが当院の診療の特徴です。下肢切断の原因となる重症下肢虚血の治療を積極的に行なっており、多くの方の下肢切断を防いでいます。徐脈性不整脈に対してのペースメーカー治療も行なっています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 63 6.22 6.38 1.59 62.60  
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 55 1.58 1.55 0.00 62.84  
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 42 7.86 18.12 2.38 70.90  
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内視鏡外科手術を積極的に行っており、手術が必要となる腹部救急疾患の代表である、急性虫垂炎や急性胆嚢炎のほか、胃癌・大腸癌・肺癌も可能な限り内視鏡外科手術で治療しています。2019年度、急性虫垂炎の97%、急性胆嚢炎の94%に腹腔鏡下手術を行いました。また、2015年より、鼠径ヘルニアに対しても腹腔鏡下手術を導入し、術後の早期回復・社会復帰に役立っています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨,上腕,大腿) 30 6.23 58.83 16.67 85.60  
K0731 関節内骨折観血的手術(肩,股,膝,肘) 17 4.53 60.94 0.00 84.12  
K0811 人工骨頭挿入術(肩,股) 10 7.80 72.30 10.00 84.30  
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高齢者の転倒による骨折に対しての手術が上位を占めています。早期にリハビリテーションを介入することでADLの低下を防ぎ、また、急性期の治療が終了した後は、当院の回復期リハビリテーション病棟へ転棟し、早期の在宅復帰を目指してリハビリスタッフとも連携を図り患者さまのQOL向上に努めています。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K093 手根管開放手術 12 0.00 1.08 0.00 68.58  
K753 毛巣嚢,毛巣瘻,毛巣洞手術 - 0.00 4.50 0.00 32.00  
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm以上4cm未満) - 0.00 1.00 0.00 9.00  
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主に手根管症候群に対して、手術による疼痛や術後合併症回避のため、1泊入院で手術を行っています。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0003ロ 創傷処理(筋肉、臓器に達するもの)(長径10cm以上)(その他のもの) - 0.00 1.00 0.00 88.00  
K0841 四肢切断術(上腕,前腕,手,大腿,下腿,足) - 2.00 21.00 0.00 56.00  
K607-2 血管縫合術(簡単) - 0.00 1.00 0.00 83.00  
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人工透析が必要となった患者さまに対して、透析に使用する内シャントの造設術を行ったり、急性動脈閉塞症の患者さまに対する血栓除去術を行ったりしています。また、重症の末梢動脈疾患で十分な治療効果が得られず、残念ながら下肢の壊死に陥った患者さまに対して、下肢の切断術も行っています。下肢切断術後の患者さまは、血流が不良のため、創の治癒に時間がかかることがあり、また、下肢が切断されたことに伴う運動機能の低下を補うためのリハビリが必要となることから、入院期間が長期化してしまいます。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 59 1.61 6.51 0.00 31.36  
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 42 0.86 3.98 0.00 47.50  
K877 子宮全摘術 26 1.19 6.92 0.00 49.96  
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産科手術では、予定の帝王切開が最も多くなっています。2019年度の分娩件数は 547件であり、臨時もあわせると、帝王切開は総分娩件数の約16%を占めています。
「帝王切開術(選択帝王切開)」は、最初から帝王切開と決めて予定手術をした件数です。骨盤位などの胎位異常や胎盤の位置異常のほか、既往帝王切開や筋腫核出術後など子宮破裂の恐れがあるものも含まれます。
婦人科手術では、子宮附属器腫瘍摘出術が上位に挙がっています。術後は大きな合併症を起こすことなくほぼ予定通りに退院されています。
「腹腔鏡下子宮附属器腫瘍摘出術」は、腹腔鏡を用いて良性腫瘍を摘出します。子宮付属器(卵巣・卵管)摘出と腫瘍のみ摘出の場合があります。
子宮全摘術は開腹手術ですが、子宮筋腫や子宮腺筋症(内膜症によるもの)などが適応になります。最近は腹腔鏡で子宮全摘術をする症例も増えてきていますのでいずれ上位に入ってくると思われます。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 223 0.00 1.00 0.00 76.66  
K2822 水晶体再建術(眼内レンズを挿入しない場合) - 0.00 1.00 0.00 81.00  
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当院の眼科は、白内障に対する水晶体再建術を主におこなっております。片眼の患者では1泊2日または、日帰りの手術で退院されています。
リハビリテーション科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) - 62.83 33.50 16.67 73.33  
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) - 11.00 44.00 100.00 81.00  
K6181 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(四肢に設置した場合) - 68.00 28.00 0.00 89.00  
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回復期リハビリテーション病棟はDPCによる請求方法ではないため、上記の集計結果には反映されません。そのため、集計された当科のデータはDPC病棟でリハビリテーション科の医師が担当した患者さまのみが対象となります。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他のもの) 16 1.00 5.19 0.00 74.44  
K7981 膀胱結石,異物摘出術(経尿道的手術) - 1.00 2.80 0.00 72.40  
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術 - 4.00 6.33 0.00 59.00  
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膀胱癌の手術は主に内視鏡手術を行っています。
代謝内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K093 手根管開放手術 - 5.25 5.75 0 52.25  
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) - 6.67 3.67 0 60.33  
K654 内視鏡的消化管止血術 - 3.50 24.5 0 65.50  
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糖尿病の血糖コントロールを行い、手根管症候群の手術を施行することがあります。
糖尿病の入院中に発見される大腸ポリープの治療を行うことがあります。
救急医学科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K386 気管切開術 - 14.33 47.33 33.33 66.33  
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみのもの) - 4.00 69.00 0.00 73.50  
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨,上腕,大腿) - 8.00 139.00 0.00 56.00  
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手術については、救急科から他診療科へ依頼しているものが大半です(内視鏡治療を必要とする消化器疾患は消化器科へ依頼しています)。全体の件数が少なく年ごとに上位の手術内容は変動することが推測されます。
総合診療科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) - 39.00 32.33 0.00 74.67  
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみのもの) - 25.00 29.50 100.00 79.00  
K0731 関節内骨折観血的手術(肩,股,膝,肘) - 7.00 107.00 0.00 83.00  
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総合診療科が単独で手術を行うことはありませんが、入院患者さまの病態・状況に応じて必要な処置・手術について各診療科(消化器科や外科)の先生に依頼しております。
緩和ケア科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K681 胆嚢外瘻造設術 - 0.00 45.00 0.00 88.00  
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『予後が一定見込まれ、手術がQOLの向上に寄与する』と考えられる症例では、治療のリスクや得られる利点についてご本人・ご家族と十分に相談しつつ、各診療科の協力を得て、内視鏡的ステント術、人工肛門造設術、胆道外瘻、腎瘻などを行っています。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

DPC 傷病名 入院契機 症例数 請求率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - 0.03
180010 敗血症 同一 33 0.43
異なる 18 0.24
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - 0.01
180040 手術・処置等の合併症 同一 11 0.14
異なる - 0.03
入院中に最も医療資源を投入した(主に治療した)傷病名が、「播種性血管内凝固症候群」「敗血症」「その他の真菌感染症」「手術・処置等の合併症」である症例について、その傷病名が入院のきっかけとなった傷病名と同じかどうかを区別し、症例数、発生率(当院の1年間の全退院患者数に対する発生率)を集計したものです。
「敗血症」のうち、入院のきっかけとなった傷病名と異なるケースは、肺炎や尿路感染症などの感染症がほとんどです。平均年齢が75歳と高齢であることから、治療過程で全身状態が悪化し、敗血症という重篤な病態となったと考えられます。
「手術・処置等の合併症」は、透析患者さまのシャント狭窄や、処置後の出血、体内に挿入されたカテーテル等の感染症、術後の狭窄などの症例があります。手術や処置を施行する際には合併症を起こさないように細心の注意を払っていますが、合併症は一定の確率で起こり得るものです。起こり得る合併症については、事前に患者さまに説明をしております。

更新履歴

2020年9月29日
初版を公開しました