エコーでボトックス治療

2018.02.23

ボトックス治療は、脳卒中等による痙縮(手足のつっぱりや変形)を、ボツリヌス毒素製剤を筋肉に注入することで症状を和らげる治療です。

当院では2010年よりボトックス治療を開始しました。従来、ボトックスの注射は主に視触診と針筋電計による電気刺激を用いて筋肉を同定して行われることが多かったのですが、近年はエコー(超音波検査)を併用する医療機関が増えてきています。当院生理検査室は、2017年春からボトックス治療に参加、エコーを担当しています。

検査技師の主な役割

  • 医師から指示された手や足の筋肉を描出すること。この時、周囲の血管や神経も描出して損傷なく注射できるようにします。
  • 針筋電計用の針はエコーでは見えづらいので針先の位置を医師と共に注意深く観察します。
エコーの画面を見ながら治療
前腕前面から円回内筋に注射する場合のエコー画像
円回内筋のエコー例

この画像は、前腕前面(ふだん、採血など静脈注射をするあたり)のエコー画像例です。
画像中にUA、MNなどと表記されている箇所が血管や神経で、これらを損傷しないように注意します。

エコー併用の利点

  • 筋肉に針先が入り、薬液が広がる様子をリアルタイムの画像で確認できます。
  • 皮膚表面から見えない血管や神経を避けて注射できるため、注射による出血や神経損傷のリスクを減らし、安全に治療ができます。
  • 筋肉の小さな足底の筋肉、深部にある肩甲下筋等、今まで困難だった筋肉も安全に注射ができます。
  • 筋肉を針先で探る必要がないため、疼痛が少なく短時間で治療ができます。
  • 筋肉の状態(萎縮等)を同時に観察できます。
ボトックス治療チームの集合写真

当院でのボトックス治療は、医師・療法士・検査技師と直接会話しながらフレンドリーな雰囲気の中で行われています。治療をお受けになる患者様はリラックスしておいで頂ければと考えております。


詳しくは、リハビリテーション室 ボトックスチームのページをご参照ください。