睡眠時無呼吸症候群を検査するには?(2回目)

2017.06.12

「睡眠時無呼吸症候群」とその検査、治療について、第2回目は当院での検査方法を説明します。

当院での睡眠時無呼吸症候群診断の検査

最初の検査として~簡易睡眠時呼吸検知装置 アプノモニター~

睡眠中の呼吸の流れ、いびきや気道を通る空気の音、血液の酸素濃度を記録し、無呼吸や低呼吸が起こっていないかどうかを調べます。

検査は自宅で行うため、当院では、外来にて検査機器の貸し出しと使い方の説明を行います。 この検査では、1時間あたりの無呼吸、低呼吸の数を判定基準としています。

基準値

この1時間あたりの無呼吸、低呼吸の数を「無呼吸低呼吸指数;AHI」(Apnea Hypopnea Index)といいます。

一般的にはAHIが4以下の場合は正常です。

ただし、AHIが5以上で必ず異常と判断されるわけではなく、AHIが5~20でも治療の必要ない軽症の人が多く含まれています。

しかし、AHIが20以上になると心筋梗塞などの重大な心血管系の合併症を引き起こし、それが原因で死亡する確率が急上昇するというデータがあります。この場合はさらに詳しい検査が必要です。

アプノモニターを装着して寝る様子
アプノモニターの外観と装着

精密検査~終夜睡眠ポリソムノグラフィ(PSG)~

ポリソムノグラフィ(PSG)は、呼吸(横隔膜や胸郭の運動)、心拍数、いびきの回数、脳波、眼球運動、心電図、各種筋電図、血中酸素濃度など、さまざまな情報を記録できる優れた検査ですが、一晩ないし二晩の入院が必要です。

当院では一泊入院での検査を行っています。

患者さまは検査当日の夕方より入院します。夕食、洗面、歯磨きなどを済ませ、就寝の準備をした後にポリソムノグラフィを装着します。様々なセンサーを顔や頭皮などに装着するため(図を参照)、装着には30分以上かかります。

消灯時間にあわせて就寝していただき、翌朝に装置を外して検査終了です。翌朝から普段通りの生活に戻れるので、お勤めの方も、仕事にそれほど支障なく検査を受けられます。

検査結果の解析には二週間ほどかかります。

PSGの装着場所
PSG装置