当院は日本呼吸器学会の認定施設となっており、呼吸器科病床は46床です。日常的には肺癌、肺炎、肺結核、間質性肺炎、肺気腫、慢性下気道感染症、気管支喘息、睡眠時無呼吸症候群、遷延性咳嗽などの呼吸器疾患患者全般を幅広く診療しています。また慢性呼吸器不全症例の在宅酸素療法導入や定期往診管理にも可能な限り積極的に取り組んでいます。
主な認定医、 専門医、 資格など |
日本呼吸器学会 呼吸器専門医・指導医
日本感染症学会 感染症専門医・指導医 日本化学療法学会 抗菌化学療法指導医 日本結核・非結核性抗酸菌症学会 結核・抗酸菌症指導医 日本感染症学会 ICD(インフェクションコントロールドクター) 日本臨床微生物学会認定医 認定内科医、東北大学臨床准教授 抗菌薬臨床試験指導医 呼吸器学会肺炎ガイドライン作成委員 日本結核・非結核性抗酸菌症治療委員会
内科学会認定医制度研修医指導者
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専門分野 | 呼吸器疾患全般、感染症一般 |
主な認定医、 専門医、 資格など |
日本呼吸器学会 呼吸器専門医・指導医
日本内科学会 総合内科専門医 日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医・指導医 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医 臨床研修指導医 麻酔科標榜医 宮城県緩和ケア研修会修了
呼吸器内視鏡学会専門医
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専門分野 | 呼吸器疾患全般、肺癌、集中治療 |
主な認定医、 専門医、 資格など |
日本呼吸器学会 呼吸器専門医・指導医
日本内科学会 総合内科専門医 日本感染症学会 感染症専門医・指導医 日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医・指導医 日本結核・非結核性抗酸菌症学会 結核・抗酸菌症指導医 日本化学療法学会 抗菌化学療法認定医 臨床研修指導医 日本感染症学会 ICD(インフェクションコントロールドクター) 宮城県緩和ケア研修会修了 |
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専門分野 | 呼吸器疾患全般・呼吸器感染症 |
主な認定医、 専門医、 資格など |
日本呼吸器学会 呼吸器専門医・指導医
日本内科学会 総合内科専門医 日本結核・非結核性抗酸菌症学会 結核・抗酸菌症指導医 日本医師会認定産業医、日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医 日本感染症学会 感染症専門医・指導医 日本感染症学会 ICD(インフェクションコントロールドクター) 臨床研修指導医 日本認知症ケア学会 認知症ケア専門士 宮城県緩和ケア研修会修了 |
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専門分野 | 呼吸器疾患全般 |
主な認定医、 専門医、 資格など |
医学博士(東北大学) 日本呼吸器学会 呼吸器専門医 日本内科学会 総合内科専門医 日本感染症学会 感染症専門医・指導医 日本感染症学会 ICD(インフェクションコントロールドクター) 日本結核・非結核性抗酸菌症学会 結核・抗酸菌症指導医 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医 日本医師会認定産業医 宮城県緩和ケア研修会修了 臨床研修指導医 難病指定医 |
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専門分野 | 呼吸器疾患全般、感染症一般 |
主な認定医、 専門医、 資格など |
認定内科医、宮城県緩和ケア研修会 |
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専門分野 | 呼吸器疾患全般 |
主な認定医、 専門医、 資格など |
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専門分野 | ●● |
診療場所 | 月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 | ||
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※ 原則、紹介・予約患者のみ
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新患 | 本院 1階 |
渡辺/神宮 | 高橋 | 矢島 | 生方 | |||
再来 | クリニック 2号館 2階 |
午前 | 高橋 | 神宮 | 高橋 渡辺 |
高橋 (月1回) |
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午後 | 渡辺 佐藤 |
矢島 | 生方 |
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
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外来延べ患者数 | 8,463 | 8,548 | 8,512 |
入院延べ患者数 | 15,541 | 15,133 | 14,404 |
診断群分類 | 件数 |
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肺の悪性腫瘍 | 243 |
肺炎等 | 130 |
その他の感染症(真菌を除く。) | 127 |
間質性肺炎 | 59 |
誤嚥性肺炎 | 47 |
睡眠時無呼吸 | 40 |
肺・縦隔の感染、膿瘍形成 | 38 |
腎臓又は尿路の感染症 | 30 |
慢性閉塞性肺疾患 | 28 |
喘息 | 15 |
気胸 | 13 |
非ホジキンリンパ腫 | 11 |
重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 | 6 |
急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) | 6 |
胸壁腫瘍、胸膜腫瘍 | 6 |
呼吸器のアスペルギルス症 | 3 |
抗酸菌関連疾患(肺結核以外) | 3 |
急性肺炎、気管支喘息発作、COPD(慢性閉塞性肺疾患)急性増悪、自然気胸などの救急疾患を積極的に受け入れています。急性呼吸不全に対してはNPPV(非侵襲的陽圧換気療法)、ネーザルハイフローなどの呼吸支持療法も積極的に行っています。
10年前までは肺癌の患者さまは2つのグループ(非小細胞肺癌、小細胞肺癌)に分けられ、それぞれに抗癌剤治療を行っていました。
2004年にEGFR遺伝子変異という強力な癌遺伝子がみつかり、それに対して特異的に効果があるイレッサなどの薬剤が開発され、肺癌治療は劇的に進歩しています。現在は、ALK融合遺伝子、ROS1融合遺伝子などが相次いで見つかり、少しずつ治療薬の種類が広がってきています。
現在は可能な限り遺伝子などを詳しく検査をし、その人に合った治療薬を選択することが非常に重要になっています。当院では、国立がんセンター東病院などの多施設が参加した研究グループ(SCRUM-Japan)に参加し、通常の検査で調べられる遺伝子以外にも積極的に検査を行い、一人一人の患者さまに最先端の肺癌治療を提供できるように頑張っています。
坂総合病院では、抗悪性腫瘍剤処方管理加算を算定しています。
多くは喫煙者に発症します。坂道歩行などの労作時に息切れが出るようになり、次第に平地歩行や日常動作でも息切れが生じるようになります。「年のせい」と考えて受診されないケースも多い疾患です。肺機能検査やCT検査で診断しますが、気管支拡張薬や吸入ステロイド剤によりつらい症状を改善することが可能です。
当科では慢性期での診断・治療、急性増悪時の入院治療、入院時のリハビリテーション、症状が進行した時期での在宅酸素(HOT)、非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)、在宅医療までの一貫した治療を行っています。
当院では2015年10月から呼吸リハビリテーション教育入院を開始しました。「できるだけ楽に生活できるようにする」ことを目標に、約2週間の入院プログラムに沿って、医師をはじめとした呼吸器のスタッフがそれぞれの専門性を生かし、多角的にアプローチを行うことで患者さんのQoL(Quality of life = 生活の質)向上を目指します。
気管支喘息は一般的な病気ですが、診断は意外に難しく、当科では詳細な病歴の問診、肺機能検査、IgE抗体などのアレルギー素因の測定、呼気一酸化窒素(FENO)測定などの評価を行い、適切な診断/治療が行えるようにしています。
気管支喘息の治療は吸入ステロイド(ICS)が基本になり、発作頻度などに応じて、長時間作動型β刺激薬(LABA)、長時間作動型抗コリン薬(LAMA)、ロイコトリエン拮抗薬(LTRA)などを組み合わせて治療を行います。治療では、確実に薬を吸入できることが重要であり、当院では医師・看護師・薬剤師が連携して、吸入薬継続の必要性/重要性を理解してもらう、吸入手技の確認を行う、などの指導を行っております。また、喘息ではペットや職業などの生活環境が大きく関与していることが多く、生活環境の改善についても指導を行っています。
標準的治療でも改善しない難治性喘息の治療も積極的に行っています。上記の治療を十分に行っても日常生活に支障を残す患者さんが対象です。
気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸といった細菌性呼吸器感染症の診断・治療を行っています。陰圧個室を2室有しており、肺結核/結核性胸膜炎/非結核性抗酸菌症(NTM)の治療にも対応しています。また、非定型肺炎、ウィルス肺炎、その他の特殊感染症の検査診断にも積極的に取り組んでいます。
特発性間質性肺炎から膠原病関連間質性肺炎、薬剤性肺炎などの幅広い疾患の診断、治療を行っています。症例により気管支鏡下肺生検、肺胞洗浄(BAL)、胸腔鏡下肺生検(当院外科に依頼)を施行しています。治療についてはステロイド剤、免疫抑制剤だけではなく、近年発売されたピルフェニドンも積極的に導入しています。
当院ではSASに対する診断、治療を行っています。SASとは睡眠中に何度も呼吸が止まる病気です。重症例では無呼吸により、脳波上では1時間に50回以上覚醒してしまっており、全く熟睡ができていない人もいます。高血圧、心臓病、脳卒中、糖尿病などと関連が指摘されており、交通事故を起こす可能性が高くなるとされています。
SASが疑われる方には外来で、問診、簡易型無呼吸検査を行います。簡易検査で治療を要するSASである可能性が高い方に対しては1泊2日入院で終夜ポリソムノグラフィー(PSG)検査を行っています。
SASと診断された患者さんには重症度やタイプ(閉塞性/中枢性など)に応じて、持続陽圧呼吸療法(CPAP)、ASV、口腔内装置(マウスピース:近くの歯科に紹介)、側臥位支援枕などの治療を導入しています。
気管支鏡検査は原則として1泊2日の短期入院で行っています。肺野末梢の病変に対しては、ガイドシースを用いた気管支腔内超音波断層法(EBUS-GS)を用いています。仮想内視鏡も併用し検査前に可能な限り病変に至るルートを特定するようにし、診断率向上に努めています。縦隔リンパ節などの気管支壁外病変に対しは超音波ガイド下でリアルタイムに病変を確認しながら病変を穿刺し検体を採取しています(超音波気管支鏡ガイド下針生検: EBUS-TBNA)。
また、感染症やびまん性肺疾患に対して気管支肺胞洗浄(BAL)を積極的に行っており、可能な限り原因を追及するように努めています。
多くの施設では、喉への局所麻酔と肩への注射のみで検査を行っています。普段は空気しか行き来しない気管にカメラが入っていくため、咳が強く出てしまい、一般に苦痛が多い検査と言われています。
当院では、ミタゾラムやフェンタニルなどの静脈麻酔薬で鎮静を行い、比較的苦痛が少ない検査を行っております。
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
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気管支ファイバースコーピー | 60 | 98 | 103 |
経気管肺生検法 | 58 | 64 | 49 |
EBUS-TBNA | 21 | 22 | 16 |
経気管支凍結生検法 | 5 | 33 |
胸水の原因としては、肺癌や悪性胸膜中皮腫などの悪性疾患に伴うもの、結核性胸膜炎、細菌性胸膜炎などがあります。従来は胸水穿刺や盲目的胸膜生検で診断が確定せず、全身麻酔下胸腔鏡を要したり、原因不明とするしかない例も多く見られました。局所麻酔下胸腔鏡を用いることで、全身麻酔を避け低侵襲で検査を行うことができるようになりました。
胸腔鏡(検査風景)
局所麻酔下胸腔鏡(LTF-240、オリンパス)
胸腔鏡(結核性胸膜炎の胸腔鏡所見: 生検により結核菌が証明された)
睡眠時無呼吸低呼吸症候群(SAS)の診断には脳波の評価を含めたPSG検査(1泊2日)が必要です。脳波、口鼻からの空気の流れ、胸の動きなどを見るために多種のモニターを装着します。最近はコンパクトな機器が開発され、検査中もトイレ歩行ができるようになっています。
モニター装着の様子(前面)
モニター装着の様子(側面)