パーキンソン病

パーキンソン病

パーキンソン病は神経変性疾患の中で最も多いとされ、日本には推定で20万人いると言われています。様々な内服治療や手術治療もありますが、残念ながら現時点では根本治療はなく徐々に進行していく疾患です。当院では神経内科専門医が二人常勤しておりパーキンソン病診療についても力を入れてまいりました。これまでパーキンソン治療は外来診療中心で入院治療については歩行が困難になってきた方や誤嚥性肺炎などの合併症を発症した方が中心でした 。一方でパーキンソン病には発症から数年間はハネムーンピリオドと言われる薬物反応も良好で日常生活動作障害も目立たない時期があり、このハネムーンピリオドをいかに維持できるかが大事です。そのため当院では3年前から軽症から中等度(パーキンソン病ヤール2~3)の時期に1カ月程度入院していただき、薬物調整およびリハビリテーションを集中的に行う治療を開始しています。これまでもパーキンソン病の方にはリハビリテーションを継続していただいておりましたが、近年パーキンソン病に対する専門的なリハビリテーションの必要性が示唆されており当院ではこのパーキンソン病に対応したリハビリテーションを入院治療で行うことができるようになっています 。

入院までの流れ

かかりつけの先生に紹介状を書いて頂き、当院脳神経新患外来を受診してください。
紹介状を確認し、お話をお聞きし、必要に応じて、入院予約を行います。
後日、入院日について当院から患者様へ電話連絡を行い、入院日を確定します。
入院当日、来院いただき、入院となります。

入院期間

約4週間程度を想定しています。当院外来初診の際に入院期間についても相談させていただきます。退院後はこれまで通りかかりつけの先生の外来を受診していただきます。当院への定期的な外来通院については入院中に相談させていただきます。

入院診療内容

リハビリ

入院翌日から平日1日合計2時間程度、理学療法PT、作業療法OT、言語聴覚療法STによるリハビリを行います。各訓練の割合は、患者様の状態により検討します。土日も行いますが、平日より時間が短くなります。

検査

脳MRI、SPECT、DAT(またはMIBG)、心エコー、HolterECG、起立試験(またはヘットアップチルト)、下肢静脈エコー、血液検査、胸部レントゲン、心電図を基本とします。必要に応じて腹部エコーや睡眠モニター検査(睡眠時無呼吸やDLBでのREM睡眠行動異常)を行います。

評価

運動機能評価、UPDRS-MDS、日常生活動作FIM、薬物管理状況評価、栄養状態評価など

相談

難病認定や身体障害者手帳、障害者年金などの医療福祉制度、介護保険でのケアプラン(ディサービスに加え、福祉用具や自宅住宅改修など)についてもご家族やケアマネジャーも交えて相談致します。必要に応じて住宅改修などの検討のための退院前訪問やケアプランの確認のための関係者を集めた退院前会議を開催します。

退院後の診療

退院後はこれまで通りかかりつけの先生の外来を受診していただきます。当院への定期的な(半年から1年1回の)外来通院については入院中に相談させていただきます。