当法人は「無差別・平等」の設立理念のもと、地域住民のいのちと暮らしを守る事業に取り組み、日本国憲法が定める平和・人権・民主主義が守られ、安心して暮らし続けられる地域をつくるため、公益財団法人として役割を果たします。
ロシアによるウクライナ侵略から3年。ウクライナの無辜の市民が犠牲となっています。パレスチナ・ガザ地区では、住民の人権侵害が深刻化しています。国際的な人権団体や国連が強い懸念を表明しており、国際人道法を含む国際法の遵守が求められています。2025年、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)がノーベル平和賞を受賞しました。被爆者は、核兵器のない世界の実現を目指して声を上げ続けてきました。この受賞は、核兵器の非人道性を再認識し、核廃絶への取り組みを後押しする重要な一歩です。
新自由主義的政策が進められる中、企業倒産は中小企業を中心に増え続け、2024年は11年ぶりに1万件を超えました。物価高の影響も大きく、生活保護の申請は2024年上半期では前年より2.8%増え、自殺の原因・動機のうち「経済・生活問題」が2年間で1.5倍となるなど、生活苦が進行しています。
能登半島の大震災発生から1年、豪雨災害から3ヶ月が経過しました。地域の経済やインフラの再建、被災した住民の仮設住宅への入居が進むなど、生活再建に向けた取り組みが進んでいます。一方で、災害関連死は増え続けすでに直接死を上回りました。被災者が生活を取り戻すまでには長い時間がかかり、継続的な支援が求められています。今年は、阪神淡路大震災から30年、東日本大震災から14年にあたります。これまでの震災の教訓を活かし、被災地の復興とともに、災害への備えを強める必要があります。
医療と介護の経営環境は、依然として厳しい状況が続いています。
日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会による病院経営定期調査では、「医業収益は増加しているものの、費用増(材料費など)がそれを上回り、さらに補助金減なども手伝って、赤字病院が大きく増加し、赤字幅も大きくなっている」ことが明らかになりました。全国自治体病院協議会の経営状況調査でも、赤字が2023年度は10.3%だったのが2024年度には14.5%となり、危機的な状況であることが示されました。
そうした中で、日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会、日本慢性期医療協会の5病院団体は、2025年1月22日に厚生労働大臣あての緊急要望を行いました。要望は、①直近の病院の経営状況を考慮し、地域医療を守るため、緊急的な財政支援措置を講ずること、②病院の診療報酬について、物価・賃金の上昇に適切に対応できる仕組みを導入すること、③社会保障予算に関して財政フレームの見直しを行い、「社会保障関係費の伸びを高齢化の伸びの範囲内に抑制する」という取扱いを改めること、です。
介護事業所の経営も厳しく、物価高の中で、多様化するニーズへの対応、人員の確保の困難さなどから、2024年度の介護事業者の倒産は過去最多の172件となりました。医療と同様、根本には低すぎる介護報酬の問題があります。公益財団法人として、医療、介護事業を継続できる報酬制度を求めるとともに、地域から求められる医療と介護需要にどう応えていくのか、あらためて経営実態をしっかり踏まえ、改善すべき課題を明らかにし、全事業所、全職員が一体となって乗り越えなければなりません。
宮城厚生協会は公益認定法人として、公益事業の推進と経営の透明性、健全性を確保し、社会的役割の発揮に全力を尽くします。
日本国憲法の理念を高く掲げ、すべての人が等しく尊重される社会をめざし、これまでの歩みを発展させながら人権が大切にされる社会を目指します。地域住民とともに力を合わせ、より広範な人々と手を結び貧困と格差や少子高齢化社会がもたらす変化に真正面から向き合い、日常の医療・介護の実践、権利としての社会保障の向上を求めながら、地域の人々の健康と生活を支える事業活動を進めます。
泉病院は、2025年3月14日に引き渡しとなり、5月3日リニューアルオープンの予定です。新病院への移行が滞りなく進み、順調に診療を開始できるよう法人をあげて取り組んでいきます。