当法人は「無差別・平等」の設立理念のもと、地域住民のいのちと暮らしを守る事業に取り組み、日本国憲法が定める平和・人権・民主主義が守られ、安心して暮らし続けられる地域をつくるため、公益財団法人として役割を果たします。
ロシアによるウクライナ侵略から4年が経過しました。ウクライナでは、難民となった国民が人口の2割を超え、死者1万人以上、負傷者は3万人以上に達しています。侵攻から2年が経ったパレスチナ・ガザ地区では、イスラエルの暴力により一般市民を含む7万人のパレスチナ人が命を奪われ、深刻な飢餓が広がっています。国際ルールに基づく、一刻も早い停戦と和平の実現を願わずにはいられません。
2024年の国民生活基礎調査では、生活が「苦しい」と回答した世帯が58.9%にのぼりました。「高齢者世帯」は55.8%、「児童のいる世帯」は64.3%とされ、高齢者も子育て世代も生活の困難に直面していることが明らかです。東日本大震災から15年が経過した現在、復興が進み国の交付金が縮小しています。その中で、災害公営住宅における孤独死は依然として高止まりしており、宮城県では3年連続で50人を超える可能性があると報じられています。コミュニティ形成の難しさや、高齢化による孤立が課題として指摘されています。
無料低額診療事業を始め、住民のいのちと暮らしを守る事業を積極的に進め、誰もが必要な医療や 介護にアクセスできる環境を整えることが、当法人に求められる重要な役割です。
医療と介護の経営環境は、依然として厳しい状況が続いています。
日本医師会が実施した「令和7年度病院の緊急経営調査」では、医業利益が赤字の病院は69.5%、経常利益が赤字の病院は62.2にのぼりました。急激な物価高騰と人件費上昇により、医業費用の伸びが医業収益の伸びを上回り、経営悪化が深刻化しているとしています。地域医療の崩壊を防ぐため、補助金の拡充や期中改定、コスト増に見合った診療報酬の評価、入院料の手当てを緊急に実施し、「医療機関の経営安定化」を図るよう国に強く求めました。
こうした要請や世論の高まりを受けて、国は、2025年度補正予算で「医療・介護等支援パッケージ」と「重点支援地方交付金」を措置し、2026年度診療報酬改定では本体改定率3.09%を決定しました。
介護分野では、2025年の介護事業者の倒産が176に達し、2年連続で過去最多を更新しました。特に「訪問介護」が91件と突出しています。低すぎる介護報酬に加え、物価高騰の影響が大きいと指摘されています。
公益財団法人として、医療・介護事業を継続できる報酬制度を求めつつ、地域から求められる医療と介護ニーズに確実に応えていくことが求められています。そのためにも、経営実態を正確に把握し、改善すべき課題を明確にしながら、全事業所・全職員が一体となって「危機的状況」を乗り越えなければなりません。
宮城厚生協会は公益認定法人として、公益事業の推進に取り組むとともに、経営の透明性と健全性を確保し、社会的役割の発揮に全力を尽くします。
日本国憲法の理念を掲げ、すべての人が等しく尊重される社会の実現をめざし、これまでの歩みを発展させながら、人権が大切にされる社会を目指します。また、地域住民をはじめとする多くの人々と力を合わせ、貧困と格差の深刻化や少子高齢社会がもたらす課題に真正面から向き合います。日常の医療・介護の実践や社会保障の充実を求めつつ、地域の人々の健康と生活を支える事業活動を進めます。
泉病院は、2025年5月3日にリニューアルオープンしました。新たな療養環境を活かし、「人を支え、人を育て、人と共に歩く」病院として、地域における役割を一層果たしていきます。中新田民主医院は、1970年に前身となる横山医院が開設されて以降、長年にわたり地域医療で大きな役割を果たしてきましたが、事業継続が困難となり2026年3月31日をもって閉院しました。