理念

公益財団法人 宮城厚生協会の理念

公益財団法人 宮城厚生協会は、1950年に設立され、現在4病院11診療所(付属診含む)9訪問看護ステーション6ヘルパーステーションの事業を行っています。(公財)宮城厚生協会は、県内最大の私的医療経営体で、全日本民主医療 機関連合会(民医連)に加盟しています。

設立趣意書

1950年2月20日 設立理事会

医療事業は、社会の各人が健康であって、明るい生活を、その職場において家庭において営むことができるようにする、いわば明日の労働を楽しくできることに仕向ける公益的性格をもつ組織活動であって、国民一般の福祉増進こそ唯一の目標とするものである。

この事業は過去のあり方のような、単に傷病の治療または療養だけが対象となるものでなく、傷病のよって起る社会的な疾患を匡正するまでに発展せしめなければならない。こうしてこそこの事業の新しい真の姿が発揮される。即ち広い意味の厚生事業にまで手を延ばさなければならない。またこういう諸活動と諸施設を一般大衆の福祉の増進という目標のもとに統一されれば医療事業も始めて完成の域に達することと信ずる。

医療が厚生事業の部門的活動を担当して、社会的厚生事業として統一せらるることになると、私経営医業では問題の解決が困難になってくる。わが国の現状では私経営も存在の理由はあるが、以上のような大きい目標に向って発展させることは、事実上この組織を改編しなければ、新しい機能と活動が生まれてこない。わが国では官公立の医業も多いが、いわゆる独立採算制に強く制約されて、現在においてはある程度の公益性をゆがめられているのではあるまいか。

ここに寄附行為によって財団法人宮城厚生協会を設立して社会的厚生事業を経営するが、今直ちに着手するのは、塩釜市に所在する坂猶興氏の個人経営である坂病院の土地・建物・医療施設等の寄附又はこれを借りうけ、モデル的に経営し漸次厚生事業の経営に発展せしめる方針をもつものである。

「いのちの砦」としての役割

宮城厚生協会は、戦争の傷跡が未だ癒えない1950年に「社会的厚生事業を経営する」(設立趣意書)ことを目的に設立されました。この間、医療と保育事業を柱に、地域住民の「いのちと暮らしを守る」かけがえのない砦となって日夜活動してまいりました。設立当時は、松川事件や朝鮮戦争など社会的な混乱がつづき、結核が蔓延し、栄養失調や寄生虫なども多く、医薬品や医療器具も極端に不足しておりました。私たちは日常的な医療活動をすすめながら、各地に頻発する災害の救援活動、松川裁判闘争への支援、医療保障制度確立のための運動などに取り組んできました。

日本経済が高度成長を迎えると、公害病や労災・職業病が大きな社会問題となりました。私たちは強引な産業開発で発生する地域の公害問題をとりあげ、労災認定や職場改善などの労働者の健康をまもる闘いに積極的にかかわり、支援してきました。公害・職業病は産業廃棄物問題や環境ホルモン・過労死などに様相を変えながら、現在でも大きな問題となっています。

急速に高齢社会に突入すると、成人病・慢性疾患が大きな比重を占めるようになり、介護の問題が国民的な重要課題となりました。医療・福祉・保健が総合的な視点にたって取り扱われるようになり、介護保険施行ともあいまって、医療のあり方にも大きな変化が求められています。私たちも外来医療の分離・福祉施設の建設、病棟機能の改変、病院機能の改革を行いました。引き続き内容の充実や整合性をはかっていかなければなりません。

宮城厚生協会はこのように時代、時代の重要な問題に真正面から立ち向かい、みずからも変革を重ねながら、働く人々と地域住民の「いのちと暮らし」をまもることを第一に力を尽くしてきました。

いま、政府は日本経済が危機に瀕していることを理由に、国の責任を放棄して社会保障制度を根こそぎ切り崩し、国民のいのちを利潤追求の市場の論理にまかせる政策を進めています。多くの国民が21世紀に明るい展望を見出せず、おおくの不安と悩みをかかえています。今こそ私たち宮城厚生協会の真価が問われるときです。協会の歴史に学び、職員みんなが力をあわせて、友の会や地域住民とともに「安心して住み続けられる まちづくり」を粘り強く取り組んでいくことが求められています。

民医連綱領

私たち民医連は、無差別・平等の医療と福祉の実現をめざす組織です。

戦後の荒廃のなか、無産者診療所の歴史を受けつぎ、医療従事者と労働者・農民・地域の人びとが、各地で「民主診療所」をつくりました。そして1953年、「働くひとびとの医療機関」として全日本民主医療機関連合会を結成しました。

私たちは、いのちの平等を掲げ、地域住民の切実な要求に応える医療を実践し、介護と福祉の事業へ活動を広げてきました。患者の立場に立った親切でよい医療をすすめ、生活と労働から疾病をとらえ、いのちや健康にかかわるその時代の社会問題にとりくんできました。また、共同組織と共に生活向上と社会保障の拡充、平和と民主主義の実現のために運動してきました。

私たちは、営利を目的とせず、事業所の集団所有を確立し、民主的運営をめざして活動しています。

日本国憲法は、国民主権と平和的生存権を謳い、基本的人権を人類の多年にわたる自由獲得の成果であり永久に侵すことのできない普遍的権利と定めています。

私たちは、この憲法の理念を高く掲げ、これまでの歩みをさらに発展させ、すべての人が等しく尊重される社会をめざします。

  • 一、人権を尊重し、共同のいとなみとしての医療と介護・福祉をすすめ、人びとのいのちと健康を守ります
  • 一、地域・職域の人びとと共に、医療機関、福祉施設などとの連携を強め、安心して住み続けられるまちづくりをすすめます
  • 一、学問の自由を尊重し、学術・文化の発展に努め、地域と共に歩む人間性豊かな専門職を育成します
  • 一、科学的で民主的な管理と運営を貫き、事業所を守り、医療、介護・福祉従事者の生活の向上と権利の確立をめざします
  • 一、国と企業の責任を明確にし、権利としての社会保障の実現のためにたたかいます
  • 一、人類の生命と健康を破壊する一切の戦争政策に反対し、核兵器をなくし、平和と環境を守ります

私たちは、この目標を実現するために、多くの個人・団体と手を結び、国際交流をはかり、共同組織と力をあわせて活動します。

2010年2月27日

全日本民主医療機関連合会 第39回定期総会