宮城厚生協会 カスタマーハラスメントに関する基本方針
2026年5月9日制定
理事会
理事会
1.基本的な考え方
近年、医療・介護現場におけるカスタマーハラスメント(以下、「カスハラ」といいます。)は、職員の安全・心身の健康・業務継続に深刻な影響を与えています。当協会は、患者・利用者の権利を尊重しながらも、当協会で働く全ての職員の人権が尊重され、安心して働くことができる環境を構築するため、以下の方針を定めます。
2.カスタマーハラスメントの定義
カスハラとは、患者・利用者、家族等からの言動のうち、職員が従事する業務の性質その他の事情に照らし、その内容または態様が社会通念上許容される範囲を超え、職員の就業環境を害する行為をいいます。典型例は以下のとおりです。
(1)暴力・暴言・脅迫等
- 身体的暴力、物を投げる行為
- 威嚇、脅迫、大声での罵倒
- 人格を否定する発言、侮辱
- 無断の撮影、SNSでの職員の氏名等の個人情報の公開や誹謗中傷
(2)不当な要求
- 合理的理由のない謝罪・金銭要求
- 職員の配置・処分・異動等の不当要求
- 当協会または職員に権限のない事項等に関する不当要求
- 社会通念を逸脱した過剰サービスの要求
- 他患者の診療を著しく妨げる要求
- 執拗に職員の個人名等の個人情報を聞き出そうとする行為
(3)長時間の拘束や執拗な言動
- 窓口・電話での過剰な長時間拘束
- 同一内容の執拗な要求やクレーム
(4)不退去、居座り
(5)セクシャルハラスメント
- 不必要な身体への接触
- 性的な発言、からかい、執拗な個人的な誘い
- 業務と関係のないプライベートな情報の要求
※医療特性による例外
認知症・せん妄、精神疾患、小児の言動、障害特性、言語・文化の違い等に起因する状況は、カスハラとして一律に扱わず、適切な医療的対応を優先します。
3.カスハラへの対応方針
前記2のようなカスハラ行為が確認された際は、対応を打ち切り、事業所内への滞在や訪問、電話対応、書簡対応をお断りする場合があります。また、インターネット上に職員の個人名等が公開されていることが判明した場合は、削除要請その他法的措置を行うことも含め対処します。さらに暴力、脅迫その他重大な事案については、法人本部に報告し、警察等に連絡の上、厳正に対処します。
4.対応の基本原則
(1)職員の安全確保
- 危険を感じた場合は即座に距離を取り、周囲に支援を求めます。
- 単独対応を避け、複数職員で対応します。
(2)速やかな報告
- 被害を受けた、または目撃した職員は、責任者へ速やかに報告します。
- 発生状況は事実に基づき記録します(日時、場所、言動、影響等)。
(3)事業所責任者の対応
- 事実確認および職員への聞き取り
- カスハラ該当性の判断
- 対応方針(注意・警告・対応制限)の決定
- 法令(医師法19条等)との整合確認
- カスタマーハラスメントに該当する可能性がある事案については、法人統括部長へ報告します。なお、緊急性・重大性が高い事案については速やかに報告し、それ以外の事案については記録の上、定期的に集約報告を行います。
(4)対応制限・中断
暴力・脅迫行為や、他患者の安全や診療を著しく妨げる場合は、対応の制限・中断を行います。対応の制限または中断を行う場合は原則として所属長が判断します。重大性の高い事案については、法人役員室と協議の上、最終決定を行います。
5.職員への支援体制
- 職員が相談しやすい体制を整備し、相談内容はプライバシーを保持します。
- 必要に応じて、メンタルヘルス支援や担当変更等の配慮を行います。
- 二次被害(不適切な指導・責任追及)を防止し、被害職員を保護します。
6.研修と周知
- 法人は、カスハラに関する研修を定期的に開催し、苦情対応や初期対応のスキル向上を図ります。
- 受付等に掲示し、患者・利用者への本方針の内容を周知します。
7.事業所での運用
- 本方針をもとに、事業所は必要に応じて手順や記録様式を整備します。
おわりに
カスハラへの適切な対応は、職員の安全と働きやすい環境を守ると同時に、患者・利用者はの良質なサービス提供を維持するために不可欠です。当協会は、職員と患者の双方が尊重される環境づくりに継続して取り組みます。
