入院している患者さんには主に医師や看護師が関わりますが、それ以外にも多くの職種がその専門を生かして働いています。病気のことを考えるといっても、年齢や体力、食事や生活環境など多くの事柄が関わってきます。したがって現在では、複数の職種で患者さんの抱える問題を包括的に把握して治療やケアの方針を決めることが推奨されています。特に高齢化社会を迎えその必要性は高まっています。30日以内の再入院を検討しているように、準備不足で退院するとまた入院してしまうことになりかねません。入院中に医師や看護師だけでなく薬剤師や医療ソーシャルワーカー、栄養士、リハビリテーションスタッフあるいはケアマネジャーなどが加わるカンファレンスがどの程度行われているかを知るための指標がこのケアカンファレンス実施割合です。私たちの医療がどのようなチームワークで行われているかを知るための医療の質を表す指標です。

全日本民医連のデータと比べると当院はかなり低い値となっています。この2012年のデータで300床以上、DPC病院、基幹型臨床研修病院という条件を満たす14の病院の中でも下から2番目の値となっています。医療活動の性格の影響を受けるとはいえ、似たような性格の病院の中でも低い方に位置するのではと推測されます。チームワークのあり方についておおいに改善の余地がありそうだということになります。

算出方法も問題になります。当院ではカルテにケアカンファレンスを行ったかどうかのカルテ記載を探してそれを数えて算出しています。言い訳になりますが、すべてのカンファレンスを数えきれているかどうかも気になります。いずれにせよ、当院はその実施状況やカルテ記載そして算出の仕方などを今後見直していかなければなりません。

指標の計算式、分母・分子の解釈
  各指標の計算式と分母・分子の項目名 分母・分子の解釈
分子 調査月退院患者のうち、入院期間中に1回以上医師・看護師・コメディカルによるカンファレンス記録のある患者 カンファレンスの回数ではなくて、記録のある患者数を算出する。医師、看護師は必須で、プラス、コメディカルについてはどの職種でもかまいません。
分母 退院患者数 -
全日本民医連2011年60施設、2012年70施設参加「医療の質向上・公開推進事業」データより
年度 最大値 中央値 最小値
2011年 93.6% 37.2% 2.9%
2012年 99.2% 42.1% 2.4%