食生活と脂質異常(検査室)

2015.08.01

脂質異常症ってなんだろう?

人の体に流れる脂肪にはコレステロール、中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸といったものがあります。
その中で一般的にコレステロール(HDLコレステロール、LDLコレステロール)、中性脂肪(TG)の値が正常値を外れると脂質異常症と診断されます。

コレステロールについて

コレステロールにはHDLコレステロールとLDLコレステロールがあります。
HDLコレステロールは体中の血管の壁についている余分な脂質であるコレステロールを取り除いています(善玉)。逆に、LDLコレステロールは体の隅々にコレステロールを運んでいきます(悪玉)。HDLコレステロールとLDLコレステロールのバランスが崩れ、LDLコレステロールが過剰に増えると動脈硬化のリスクが増えていきます。
動脈硬化って?
余分なコレステロールの影響で、血管が硬くなったり、血管の中が狭くなったりした状態が動脈硬化です。血液の流れが悪くなり、詰まりやすくなって心筋梗塞や脳卒中の危険が高くなります。

脂質異常症と食生活について

動物性脂肪やエネルギー、コレステロールの多い食品は適度に

お肉を食べる際は脂身の少ない部位(ヒレやササミ)などを選ぶようにしましょう。生クリームやバターなども摂取する量に気を付けましょう。

コレステロールは排泄量を増やすことも大事

コレステロールは摂取しすぎないことも大事ですが、排泄量を増やしてあげることも大切です。
コレステロールの排泄を促す食品が、食物繊維をたくさん含む食材になります。 食物繊維をたくさん含む食材はわかめや昆布などの海藻類、かぼちゃ、こんにゃくなどの野菜類、きのこ、大豆小豆などの豆類になります。これらの食材をよく噛んで食べることが大切です。

食事はバランスよく
1日の食事で摂取するエネルギー量を適正にし、炭水化物、タンパク質、脂肪の配分をバランスの取れたものにしましょう。

今回は脂質異常症と食生活についてお話しました。脂質異常は動脈硬化だけでなく心筋梗塞や脳血管疾患など重篤な病気になりうる可能性があるのでしっかり気を付けていきましょう。また食生活を見直すことでいろいろな病気から身を守れることにもつながります。 みんなで健康でいられるようにがんばっていきましょう。