細菌検査室とICT活動

2016.10.17

病院の検査技師は検査だけをしているわけではなく、院内の様々な委員会活動へも参加し、他職種とともにそれぞれの専門知識を持ち寄り、チーム医療を行っています。
今回は細菌検査担当の技師が担当しているICT活動について紹介します。

ICTとは?

病院内でICT(Infection Control Team)と呼ばれる、 感染制御チームです。
これは病院において感染管理を専門に担当するグループでICD(感染症専門医)・ICN(感染管理認定看護師)・薬剤師・臨床検査技師などによって構成されています。

ICT活動内容

週1回院内ラウンド&ミーティング

病棟ラウンドで検査技師はMRSA(+)・CD陽性・血液培養陽性をはじめとする感染対策上必要なデータ(耐性菌など)を準備し、実際に病棟で患者様の情報(下痢・発熱・喀痰の量など)を聞き必要に応じて感染対策上の注意喚起をします。
その後、ミーティングではICDへ、それらのデータを報告しICTメンバーで共有しています。

定期的な職場ラウンド

手指消毒薬の設置・使用期限の確認、医療廃棄物の分別(感染性廃棄物が適切に廃棄されているか?)等、病棟以外の職場もラウンドし院内の環境整備をしています。

月1回感染対策委員会

1ヵ月間(約4回のICT活動)の内容をまとめ院長・各職場長・師長へ報告します。

他職種のICT活動内容

ICN

院内の感染に関わる仕事全般を担っています。ラウンド時は職員の感染症罹患状況を確認し、検査室から報告されたデータについて検体の取り扱い・看護手順のチェック等を行います。

薬剤師

抗菌薬使用患者の状況・期間をチェックし、ラウンド時担当看護師から状況報告を受けます。その中で適切ではないと思われる使用がある場合はミーティングでICDと検討し主治医へ連絡します。

最後に

日常の細菌検査は様々な材料から起炎菌と思われる菌等を分離し臨床へ報告しています。その中で耐性菌や病院内感染の原因となりうる微生物を最初にキャッチできるのも細菌検査室です。細菌検査室はその情報を迅速かつ正確に伝える重要な役割も担っているのでとてもやりがいのある仕事だと思います。細菌検査に興味のある方、ぜひ見学にいらしてください。