GTT検査について(糖尿病の検査)

2016.06.14

採血検査のイメージ

糖尿病とは、血液中の糖の値が上昇し、その名の通り尿の中に糖が出てくる病気です。 のどが渇く、おしっこに行く回数が増えるなどの症状が出ることもありますが、無症状の場合もあり、進行すると合併症(神経障害・網膜症・腎症)を起こします。

糖尿病を診断するのに様々な検査がありますが、そのひとつにGTT検査というものがあります。

GTT(ブドウ糖負荷試験)検査

前日の夜から絶食(10時間以上絶食)の状態で空腹時の採血を行い、その後ブドウ糖液を飲んで2時間後までの血糖値を測定します。

当院では以下の流れで、時間ごとに採血と尿をとって検査を行います。

時間(分) 0 30 60 90 120
採血          
採尿          

検査の結果、2時間後の血糖値が200mg/dl以上の場合に糖尿病の疑いがあるとされ、空腹時の血糖値やHbA1cの値など他の検査結果から糖尿病かどうか医師が総合的に判断します。

GTT検査は空腹時の血糖値が高い人や肥満・高血圧、脂質異常のある方など糖尿病の危険因子を持つ人に対して行われますが、妊婦の方に糖尿病・糖代謝異常がないかどうか見る時にもこの検査が行われることがあります。

妊娠中に明らかな糖尿病があると先天異常のある赤ちゃんが産まれたり、糖によって赤ちゃんが大きくなることで周産期のリスクが増加したりします。また、母体において高血糖の状態を改善しようとして膵臓から大量のインスリンが分泌され、高インスリン血症となることで産まれた赤ちゃんが母親のインスリンの影響で低血糖になる恐れがあります。

妊婦にかかわらず糖尿病がある方の血糖コントロールには薬物療法・運動療法などありますが、それらの他に食事療法があります。規則正しい食事をこころがけ、食品の種類を多くして炭水化物、タンパク質、脂肪の栄養バランスを整え、1日の食事で摂取するエネルギー量を適正にすることが重要です。食事療法を行うことで高血圧や脂質異常など他の合併症の予防にもつながります。

これらの合併症およびリスクは明らかな糖尿病だけでなく、糖尿病にいたっていない糖代謝異常の状態でも引き起こす可能性があります。血糖値をしっかりとコントロールすることによって合併症やリスクを防ぐことができます。

食事